してやられたり

家を出て駅に向かう途中、クリーム色のカーディガンに巻きスカート、黒革のブーツに眼鏡の人とすれ違った。その日は朝から天気がよくて春の陽気を予感させていたから、みんな外へ出かけたくなるんだろうな、と思いながらすれ違う。と、そのとき一瞬目をやったその横顔に驚いた。不自然に厚塗りな化粧のその主は、明らかにオトコ。女装がいけないとは思わないけど、あまりの不自然さにゾッとしてしまった。しばらく歩いてから妙に気になってちらりと振り返ってみる。するとあちらもさりげなくちらり。しまった・・・
なんだか調子が狂ったまま電車に乗り込む。寮に入っていたとき、紙に様々ないたずらを書いて、少し離れた場所からそこにコインを投げて当たったものをしなければならないという、何とも理不尽なゲームをしていたのを思い出した。今朝の彼(または彼女)ももしかしたら何かしら罰ゲームでしょうがなく・・・なんてことはなさそうだった。
乗り換えるため電車を降りる。ホームの雑踏の中を歩いていると、「ジョシコーセーサーン」と奇妙なつぶやき声。思わず振り返ると、後ろを歩いていた4、5人の女子高校生のまわりをうろうろしながら、男性がぶつぶつ言っている。「女子高生さーん」。女子高校生たちは目配せしあって、足早に人ごみに紛れていった。男性はふらりふらり、離れていく。何がしたいのかわからない。ただただ異様。女子高生家業も楽じゃないんだな。春になると、いろんなところが緩んでくるのかもしれない。気をつけなくちゃ!?
今日はどうかしちゃってると思いながら目的地へ。よくいくところなのに、ちょっと遠くまできたような軽い疲労感。リフレッシュしなくては、というのにこんなときに限って休業。なんてこった、とため息ひとつ。今日は何だかしてやられたり。