蚊の来襲

夕暮れ時、雨も上がっていたしちょっと時間が空いたので、簡単に庭の草取りをした。湿った土は程よく柔らかくて、草の根まで結構よく抜ける。日中と違って日差しも柔らかいから、心地いい。はずだった。
しばらくすると、おびただしい数のヤブ蚊に追われていた。庭の奥にある池の中で大量発生しているのかもしれない。獲物の絶対数が少ないから、一極集中。そんなはずはないけど、こいつらに一度に襲われたら血が足りなくなって倒れちゃうんじゃないかと思えるくらいの集団。
北陸に住んでいたときには、なぜか蚊に悩まされたことがなかった。借りていた部屋には網戸がなかったのに、ほとんど入ってこない。外で遊んでいても、かゆくて仕方ないということがなかった。山からの伏流水が豊富で、いつも流れがあるからかなとか考えてはみたものの、なぜかよくわからない。田んぼに囲まれていたのに。
それが東京に帰ってくると、とたんに蚊の餌食に。とくに西部へ行くともう大変。これハエじゃないよねぇ というような立派な蚊に血を吸われている。それでもヒルに血を吸われているのを見るのとは違って、案外気楽。かゆくなるような害はないものの、血を吸って膨らんだヒルをはがすのは、何とも感触が悪いもの。この国ではそんなことあまりないけど。
そんなヤブ蚊の大群に、今年も枯れ草色の渦巻き香を焚いている。飛んでいる蚊がぽとりと落ちたり、家の中を一晩さまよっていたスズメバチが翌日落ちてくるような、目を見張る効果がある鮮やかな緑色の金○の蚊取り線香とはちょっと違う、穏やかな香の香り。この夏も、どうぞよろしく。