望月 勤 展 -Frameworks 009-

木の日用品は、見られることの少ないものかもしれない。いすに腰掛けて机の上におかれた器や料理を楽しんでも、それが置かれている机や、座っているいすのことは気にならないことが多いように思う。しかし空間を構成する要素の中では、その存在の占める割合は大きい。それらを楽しめるようになったら、空間の味わいはずっと深くなる。
木工の仕事で面白いのは、いろいろなひとのさまざまな暮らしのシチュエーションがあって、そこに求められるかたちをまとめあげていくことが多いからかもしれない。
もちろん目指すかたちはあるものの、素材やもののかたちにとらわれるのではなくて、自分の生活の中だけでは到底巡り会えないような設定と出会い、その空間をより活かしたいという希望と、そのための解決手段としてのものの展開がリアルだからだろうか。
その関わりの中では、なるほどと思うこともあれば、こうした方がよりよいのではないかと、考えが確かめられることもある。さまざまな条件に対して柔軟にイメージを広げ、ひとと空間との関係をまとめあげていく作業は、創作と同時に、ひとと空間との関係、空間とものとの関係を整えていくような、そんな感覚のようにも思う。
用を足すだけのものではなく、刺々しく、際立つ存在感を放つだけのものではないたたずまい。温もりというイメージをもつ木を使うからこそ、直線的なラインを取り入れて構成することで、空間への収まりを整え、身体で味わうものだからこそ、かたちから受けるイメージだけではなくて、直に触れ合うことからその柔らかさを確かめられたらいいと思っている。

10月6日(金)から14日(土)まで初めての個展をします。ぜひお越しください。詳しい情報はこちらhttp://www.glashaus.jp/pages/exhibit_acca06.htmでどうぞ。