同居人

朝起きて窓を開けたら、雨戸と窓の間にてんとう虫がごっそりはりついていた。前日外壁を異様なほどたくさんのてんとう虫が歩き回っていたから、おかしなものだと思っていたら、どうやら冬を越すためのねぐらを探しまわっていたらしい。こうして群れている様子はあまりかわいくないし、こんなところにいると、何かの拍子につぶしてしまいそうで困る。実際、すでに数匹、、、
夜中に起きなくてはならなくて、早くから床についた日のこと。いつもなら活動している時刻だから、なかなか寝付けるものではない。数時間ゴロゴロしていると、何やら枕元でかさかさうごめいている様子。気持ち悪いので枕をひっくり返してみると、なんとそこにはなかなか立派なムカデが。どうしたものか思案している間に、くねくねとどこかへ去っていってしまった。踏みつぶすならまだしも、寝床にいるのはいただけない。同じヤツかどうかわからないが、後日仕事場の排水溝にいたのを見つけて、、、
ここにはクモがやたらたくさんいるし、他にも蜂とかトンボとか、さまざまな虫たちが飛び込んでくる。こちらが林に侵入していったようなものなので迷惑な話だけど、できれば棲み分けられないものかと、密かに思う。しかし、すごいのと同居している人がいた。なんというか、目からウロコ。
それは “ゲジ” 。体調が8cmはあるんじゃなかろうかという、オオゲジだ。しかも一匹ではない。実はゲジ自体、今年初めて目にした。兄の家に出たという未確認生物からはじまり、出没情報が後を絶たない。もしかして今年は大量発生? でもそんなニュースは聞かない。知らない存在だったので、特徴から調べていくと、ゲジにたどり着いた。今までゲジゲジと呼んでいたのはどうやらヤスデ。方言もあるし、虫の名前は難しい。
ご主人曰く、うちに棲みついているたくさんのクモのように、ゲジも害虫を補食してくれるいいヤツらしい。ムカデのように毒があるわけでもない。飼っているわけじゃなくて、あくまで ‘同居させていただいている’ 関係だから、名前をつけたりはしていない。でも手に取って見せてくれたりすると、ちょっと驚く。食わず嫌いな関係でも、相手のことを知ると身近な存在になりうる。人も虫も一緒!?